2018年11月18日号 06面

 日本基督教団総会議長名による声明、現役従業員(当時)による声明などにより異端疑惑が問題にされている、株式会社クリスチャントゥデイ (代表取締役会長峯野龍弘、代表取締役社長矢田喬大、以下CT)及びその背後で多大な影響力を持つとされる張在亨(ジャン・ジェヒョン)氏に対し、さらにその異端性、反社会的実態を指摘する動きが起きている。CTがその異端性を否定し、自社の「信仰告白」をサイト上で掲載する一方で、「(張氏の)信者で構成する『共同体』から脱会した元メンバー」らが結成した「ビオラの会」が9月に、「ダビデ牧師こと張在亨氏とあいのひかり教団、宗教法人オリベットアッセンブリー、関連グループに対する元信者らによる緊急声明」を発表し、韓国の異端問題専門誌「現代宗教」やCBSなど複数のメディアが報じた。声明要旨は次のとおり。

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ビオラの会の「声明」は次の事実をあげる。▼その中心的な教義は「今すでに来臨(再臨)のキリスト」がいることで、それがダビデ牧師であると信じるように宣教師から誘導されたこと。▼「この真理を誰にも話してはならないと口止めされたこと。▼ダビデ牧師と宣教師の指示でその関連団体、企業で反強制的に働かされ、その間報酬を受けたことはないこと。▼当時信者は極限の生活苦にあり、新しく入信した信者のローン、貯金をあてに宣教師は生活していたこと。▼ダビデ牧師からは「不信仰だ。もっと羊(信者)を集めろ」と叱責され、より高級な場所を教会とするよう指示され、家賃の滞納、未払いは常態化し、オーナーとトラブルになっていたこと。
元メンバーらは、多額のローンに対する「督促」におびえ、精神的にも肉体的にも疲労困憊し、「共同体から『逃げる』『脱する』ことを決意」したという。脱会したメンバーは他にも大勢おり、「深い傷を心に負い」「人には話せないようなつらい体験」を受けて証言できない人、「報復におびえ協力できない」人もいるという。また、「信者はとても純粋な人たちばかり」で「共同体以外の世界を知らず」、ただダビデ牧師には誰も逆らえず、言われたとおりに実行し、嘘も不正も従順という言葉で正当化するとし、「外見はイエス・キリスト信仰に基づく普通の教会」だという点に注意を促している。
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ビオラの会の代表世話人で日本キリスト教異端相談所の張清益(チャン・チョンイク)所長に話を聞いた。
-ビオラの会は今までメンバー全員が匿名で活動してきましたが。
張 それは当然です。脱会した人たちの安全は最優先で守らなければなりませんから。声明の中にもあるように、みな心に負った傷は深いですし、思い出したくもないでしょう。自分のことを公にすることで生じるであろう事態に対する危惧、恐怖もあるはずです。こういう問題に携わってきた牧師として、それはよく承知しています。ただ、匿名であるということでその信憑性が疑われたり、信用されなかったりということは望ましくないので、今回私がお手伝いさせていただくことにしました。
-「声明」では人権侵害が指摘されていますが。
張 他のカルトにも見られるように、労働搾取がありますし、本人の意志ではなく無理やりカップルにさせられる「聖婚」が強要されることもあります。統一協会の合同結婚と同じですが、その時誓いを立てたことだけでなく、誓いを立てた以上はその関係性を払拭できずに脱会後も傷は続くのです。「声明」の中にもあるように、これ以上の被害者が出ないように望みますし、内部で苦しんでいる人がその苦しみから解放されるように活動していきたいです。